都議会レポート 2013.1.24発行
今年度の予算原案固まる
東京都は1月18日2013年度予算案を発表しました。一般会計の総額は、
今年度当初比1150億円(1.9%)増の6兆2640億円となりました。
これは、通信・サービス業の増益など企業収益の回復に伴う都税収入の
増加を見込んでおり、こうした税収を元手に、将来の財源不足に備える
基金は5年ぶりに増加。そのうえで、首都直下型地震に備えた防災対策に、
電力エネルギー改革に、五輪招致を念頭にスポーツ都市東京をつくる
予算などに重点配分したとしています。
また、福祉関連予算が初めて1兆円を超えています。一方で、
東京との借金である都債発行額は9.1%減の4485億円となっています。
 
法人2税が増収、積極財政展開!
都税収入は、4兆2804億円(3.9%増)に達しています。これは、
リーマンショック直後の09年度水準まで回復したことになります。
特に法人2税(法人都民税、法人事業税)は1兆4121億円(14%増)を
見込んでいます。将来の財源として活用できる基金残高は8741億円に
なりました。この額は、ピーク時の1兆5743億円(08年度)には
及ばないものの、前年度よりも372億円の積み増しとなっています。
一般会計では、借金返済に充てる公債費などを除いた一般歳出も
4兆5943億円(1.6%増)と3年ぶりの増額となりました。
これらの状況により、中期的な視点に立った財政基盤の強化と、
首都防災力の強化といった戦略を同時に反映できたとしています。
道路整備や港湾事業など 公共事業に費やす投資的経費は、8582億円(0.9%増)と
9年連続の増となりました。木造住宅密集地域の不燃化やインフラの老朽化
対策などに費やす都の単独事業は202億円増やしています。分野別では、
「福祉と保健」が1.6%増の1兆143億円。初めて1兆円台の大台に乗り、
分野別の最高額となりました。
しかし、高齢化に伴う社会保障費の自然増が押し上げた側面が強いことが
懸念材料です。そのほか、「都市の整備」には0.4%増の7434億円、
「教育と文化」には0.3%増の1兆86億円。「労働と経済」には0.4%増の
4275億円となっています。
また、予算の無駄を削るため、今年度の425事業について成果を検証した結果
320億円を捻出しました。これは、民主党政権時に行った「事業仕分け
東京都版」であり、東京都の無駄削減事業は続いています。
一方、都債の発行は、4485億円(9.1%減)で3年ぶりの減額となりました。
歳入に占める割合は7.2%で国(49%)や地方財政計画(国が示す
地方自治体の指針)の13.6%を下回ります。
残高も13年度末が6兆6473億円(587億円減)の見込みで3年ぶりに
減少する見込みです。
 
自転車悪質運転厳罰化へ
東京地検は、自転車で悪質な信号無視を繰り返す違反者を今後、
道路交通法違反で略式起訴する方針に転じました。
従来は、違反者に罰金を科す略式起訴は厳しすぎるとして
不起訴処分としてきましたが、信号無視による自転車事故が増加傾向にあり、
方針転換が必要と判断しました。
罰金は、最高5万円、ただし、免許制度のない自転車の違反には
行政処分が無く、刑事罰しかないため前科が記されることとなります。